Sumita Scholarship Foundation, Cambodia

2018年2月号

 カンボジアの先生は「生徒によくわかる授業の仕方」に努力しています。
「生徒によくわかる授業」の成果がどんどん出始めています。授業に集中し、考え、発言する生徒が増えてきました。

SSFC研究協力校、アライン・フランサイ中学校の授業では、授業に集中し、考え、発言する生徒が増えてきました。「にょにゅむ通信」創刊号でお知らせしたように、SSFCは「生徒によくわかる授業」「生徒の考える力を育て、学力を向上させ、身に付けさせる授業の仕方」をアライン・フランサイ中学校で指導しています。今回は5回目、2月1日から3日まで指導をしてきました。4回目までに指導してきたSSFCの指導力向上の考え方と手順、現地の先生の授業を参観した後での授業の仕方指導、SSFCが生徒に行った模範授業を通して理解した指導の仕方を基に、2日間にわたって先生方6人に授業実践をしてもらいました。

1年生・数学でのマイ・ポン先生(初任者)の授業で、先生は、「今日教えることを昨日何回も何回も勉強した。実際の授業を想定して教えることを勉強したので、自信を持って教えられた。10分の1を教えるために紙を用意した。1枚の紙で生徒がこんなに興味を起こすことにびっくりした。今までは、授業前に先生用の教科書を読んで授業を進めるだけだった。考える力をつけるために、紙を10等分して10分の1を教え、1÷10を計算させて0,1を教えた。100分の1、1000分の1も同様に教えた。4グループに分けて、問題の位取りを解かせ、黒板で発表させた。70%の生徒は理解できたと思う。」本時に教えることを、事前によく勉強してきたので、自信があり余裕を持って教えていた。成果がどんどん出始めていることを実感できました。

SSFC奨学金給付生《ピッ・ウィさん 中3》が、生徒会長に選出される!
アライン フランサイ中学校は、他校に抜きん出て生徒会活動が活発です。
校庭・教室にはゴミ一つ落ちていない、トイレがいつも綺麗、始業・終業の鐘の合図が正確、授業に遅刻するものが居ない、机に落書きがないなどなど。
更に凄いのは、両親がなく一緒に住んでいた祖母が亡くなり、お葬式も出せないでいた生徒に、生徒会が募金を集めてお葬式を出してあげたことです。生徒会役員と貧しい家庭担当の先生が、お葬式が終わるまで面倒を見たという事です。
校長先生が生徒会の指導をしています。生徒会委員は各クラスから、男女1名ずつ選ばれます。生徒会長1名(中3)は全校生徒の選挙によって選出されます。ピッ・ウィさんの意欲と頑張りに期待します。

奨学金給付生徒の紹介 「ピッ・ウィさん(中学3年・女・16)
○家庭環境:母親と妹(妹はフランサイ中学2年)の3人で生活している。父親は、数年前に家を出て、帰ってこない。家は、トタン屋根、ヤシの葉の壁の1間の家。電気は無い。
○一家の収入:母親は野菜や魚の行商をして、1日2,5$の利益でピッ・ウィと妹を養っている。田15アールを持っていて、米が年300Kg取れる。8ヶ月間食べられる。行商以外に、鶏を飼って売るなどで生活費の足しにしているが、生活は苦しい。
○学校の成績と得意科目:クラスの成績は中1から、ずっと1番。中2の中間・期末テスト共1番。得意科目は数学・化学・物理。勉強が好きで、家でも家事の合間に予習復習をする。高校進学を希望している。
○性格:母親が働いているので、食事の準備など家事は進んで行う。田植えの時期は一家の働き手の中心。いつも明るく、笑顔を絶やさない。友達も多い。質問等にもハキハキと答える。
○SSFCの奨学金給付を受けられて、母子ともに大変喜んでいる

お問い合わせは TEL 03-6272-5717 10:00-17:00の間にお願いします。

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